大正9年(1920年)、それはマイクロメーターや理化ガラスの製造から始まりました。昭和12年(1937年)に恒温恒湿槽、昭和15年(1940年)に熱風乾燥機を手掛け、昭和23年(1948年)、須賀長市と須賀蓊の兄弟が合名会社 東洋ミクロン社を創立。翌年の昭和24年(1949年)に東洋理化工業株式会社(現 スガ試験機株式会社)を設立しました。
事業を始めるにあたり、母は深川の地所65軒を全て売って事業資金として差し出し、「事業にはお金がかかるし、それも多いほど良い、それからお前は長い間サラリーマンをやっていたから、事業のきびしさを知らないのではないか、もう後がないと思って懸命にやるんだよ」と言いました。私はそれから随分困難なことにぶつかりました。しかしその度に母の言葉とお金を思い出したのでした。
(『続・自灯明』 須賀長市著より)
母は、一つだけ兄弟に注文をつけた。「本物の人生、本物の物を造りなさい」
凛とした立ち姿に、母の慈愛と生き様を教えられた気がした。
(『無明・自灯明』 須賀長市著より)
創業から大切にしてきたこと。信念を持ち、何事にも屈せず、常に挑戦する姿勢。