鉄、銅などの金属はそのままでは腐食が発生してしまいます。その対策として表面にめっきや塗装などの表面処理を施すことで腐食を防いでいます。この表面処理は、製品のコスト及び製品の寿命に大きな影響を持ちます。例えばめっきを薄くすることによりコストを下げることができます。しかし、耐腐食性も低下し腐食が早く発生することになります。電気部品の接点であれば故障に直結します。このようなめっきの欠陥は、膜厚計などの簡単な装置では判別できません。この欠陥を判別する方法として、めっきされたサンプルを強い腐食環境下に置き、腐食の発生の有無を確かめる方法があります。これが腐食試験です。この中で腐食ガスに対する耐性を調べるのがガス腐食試験になります。
本稿では、ガス腐食試験機の仕組み・用途・試験方法などを初めての人にでもわかるように解説しています。
(科学機器入門【増補改正版】 東京科学機器協会 2010年3月発行)